コレクタータンクと隔壁ボックス

燃料ポンプの2基がけに伴い、コレクタータンクはショップにあったフォーミュラーカー用の10Lの大型のものを設置していた。

これは筒状のアルミケースの中にゴムの風船のような袋が入っており、強いGの中でも袋が膨らんだり縮んだりしてエアの噛み込みを防げる高級品だった。

しかし、純正タンク内のポンプで汲み上げて外付けポンプで吸い出す方式だと、気温などで純正タンクの内圧が下がった際にコレクタータンクのゴムバッグが潰れてしまうトラブルが発生してしまった。

そこで、このタンクのデリバリー部分のみを使い、新たに図面を書いて全てをアルミ製とし、コレクタータンクを再製作した。

タンク容量は3Lとできるだけ小さくしたので外観もすっきりと細長くなって、なかなか良いものになった。

また、ハッチバック車の場合、荷室にコレクタータンクを設置せざるを得ないのだが、それでは公認車検やレースのレギュレーションをパスできない。

そこで隔壁としてアルミ製のボックスを製作した。

同様に移設したバッテリーにも隔壁が必要となるので仕切りを設けてバッテリーも収納しておいた。

ここまでやってあると公認車検もすんなりとパスできるようになります。

青いケースはコレクタータンクに戻る燃料を冷やすインラインフューエルクーラだ。

真夏のサーキットでのドラッグレースではインジェクターに送る燃料の温度が50℃近くまで上昇してしまう事がある。

するとパーコレーション(温度による急激な気化)が発生して、せっかくコレクタータンクを導入していても気泡を噛み込んでしまい燃料が薄くなる。

これがブースト2kg/cmの時に起きると一瞬にしてノッキングを起こしてブローに至ります。

炎天下のレースではこれにドライアイスを入れてパーコレーションを防いでいる。

真夏のドラッグレースの必需品。

完成後は外付けポンプの音も軽減され、ガソリン臭もかなり抑えることができるようになった。

何より燃料系が安心して使えるようになったのが嬉しい。

色々と欲張って作ったので、ボックスがやたら大きくなってしまったのはご愛嬌。