ドラッグレース用ダンパー
ホイールの路面追従性と横Gに対する姿勢制御を目的とする一般的なサスペンションシステムに対し、加速を目的とするドラッグレース用のサスペンションセッティングは考え方がかなり違う。
ダンパーセッティングの方向としては、スタート時のリアへの素早い重心移動とその後の高速走行時の空気抵抗の少ない姿勢作りが基本だ。
最近では高性能なドラッグレース専用タイヤが多くなって来たので、その傾向も更に顕著になって来ていると思う。
Aragosta Drag Special (Front)
フロントダンパーは主にスタート時のノーズリフトと高速走行時の姿勢制御用にチューニングされている。
ダンパーは縮み側に強く働くようになっていて、スタートの時に素早く伸びてリアタイヤへの荷重移動のサポートをし、発進後にゆっくりと縮んで高速安定性の良い姿勢を作る仕様だ。
ノーズリフトの高さはスプリングレートで、発進後にノーズを下げるタイミングはダンパーの調整ダイヤルで行う。
但し、MA70のようにフロントヘビーな車の場合、リアサスのスプリングレートに対してあまり柔らかいスプリングを使うと全体的なバランスが悪くなってしまうのが悩みどころ。
Aragosta Drag Special (Front)
Damper tuning – La CORSA TECNICA
Swift ID65 8-12kg
Aragosta Drag Special (Rear)
MA70スープラは4輪独立懸架を採用している。
ドラッグレースを行うにあたり、とにかくリアの独立懸架には本当に苦しめられている。
そもそもアメリカのドラッグレースでは4リンク式が主流だ。
理由はアライメントの変化がなく、ホイールホップができること。
タイヤに駆動力が加わるとサスペンションが伸びてタイヤを真っ直ぐ地面に押し付けてくれるのだ。
ドラッグレースに限って言えば、アライメント変化が大きく、ただ無駄にサスペンションが縮むだけの独立懸架車が勝てる訳がないのである。
と、ないものねだりをしていても始まらないので、色々と工夫をしながら走らせています。(笑)
現在は変則的なヘルパースプリング付きの全長調整としてある。
リアダンパーは伸び側に強く働くようになっていて、スタートの時に素速く縮んでリアタイヤへの荷重移動のサポートをし、走行中にゆっくりと伸びて高速安定性を確保する仕様。
更にレース時のセッティングではバンプタッチも併用して使う。
スタート時にバンプタッチでアーム類の動きを抑えて不必要なアライメント変化を抑えるのが狙いだ。
全長調整+バンプタッチでスタート時の姿勢を作り、走行中の姿勢はヘルパースプリングでの車高調整で作っている。
但し極端なショートストロークになるので専用タイヤでのドラッグコース専用のセッティングとなります。
Aragosta Drag Special (Rear)
Damper tuning – La CORSA TECNICA
Swift ID65 4-8kg