ブーストコントロールとローンチシステム
ドラッグATはトランスブレーキを使って停止した状態からでもターボブーストを最大まで貯められるので、ローンチコントロール(スタート操作)と呼ばれる操作が必要になります。
これは手動でもできるのだが、ブースト切り替え、ミスファイヤリング、トランスブレーキ、ラインロックにアクセルとフットブレーキの操作と多くの作業をレース中にミスなく行うのは至難の業であり、ローンチコンピュータと呼ばれる専用のコントローラーのプログラムでできるだけ自動化しておいた方が良い訳です。
このローンチコンピュータはアメリカ製でも入手できるのですが、国産の各機器との相性が今一つなのでワンチップマイコンで自作しました。
非常に特殊な内容ですが、紹介しておきたいと思います。
ブーストコントロールはトラスト製のソレノイドバルブ式のプロフェックを使っている。
構造がシンプルで2.0X100Kpaの高ブースト時も安定しているので信頼感があります。
プロフェックは下に見える緑のLEDが見える回路でブーストのHi/Loの切り替えをローンチコンピュータから変更できるように改造してある。
ローンチコントロール用の補器類もトラスト製で構成。
DIN上列はトラストのマルチスイッチングシステムが2台あり、個々に車速とエンジン回転数を収集してローンチコンピュータに信号を送っている。
DIN下列はトラストのプロフェックとターボタイマ。
一番上のスイッチ類はローンチコンピュータのプログラムのチャネル切り替えとラインロック、ローンチコントロールのON/OFFスイッチ。
ローンチコンピュータは助手席シート下に設置。
レース毎にローンチコンピュータのプログラムを選びながら、発進時のターボブースト設定の切り替えとVproによるミスファイヤリング(失火制御)でトラクションを最適化できるようにしています。
発進時はLoブーストで最適なトラクションを稼ぎ、速度が乗ったらHiブーストでフルパワーにする仕組みです。
また、ローンチコンピュータにはステアリングスイッチからの信号が来ていて、ステアリングを握ったままラインロックとドラッグATのトランスブレーキの操作ができるようになっていて、これらの操作をトリガにプログラムがスタートします。
ドラッグレースで何回走ってもタイムがほぼ揃う秘密がこのシステムにあります。