新サイズのタイヤ
2010年に使っていたドラッグレース用のラジアルタイヤ、Hoogier製325/50R15は、とにかく熱を入れるのが大変だった。
路面に傾斜があり、バーンナウトに失敗しやすいストリートシュートアウトでは致命的なタイムロスを引き起こすことも多かった。
そこで復活の2012年は新しくサイズが追加された295/55R15を選択してみる事にした。
トレッド幅を小さくして短いバーンナウトで素早く温度を上げる算段である。
推奨リムサイズは8Jから10Jなので手持ちのビレットスペシャリティーズの10JをK君の作業場に持ち込んだ。
ところが、タイヤチェンジャーに乗ったところを見ると何だか怪しげな気配だ。
適合リムサイズのはずなのだが、ビードがリムに届いていない。
このタイヤはサイドウォールが極端に柔らかいため、通常の組み方ではビードを上げられないのだ。
普通のタイヤ屋さんではここでお手上げのところだが、実はこのK君は19インチの265/30サイズを10J以上のリムに履かせてしまうような、いわゆる「引っ張りタイヤ」のプロフェッショナルなのである。
果たしてどうするのかと期待しながら見ていると、彼が手にしたのは13インチ用のタイヤチューブ。
こいつを遊んでいる部分に嵌めて空気を入れ、ビードとリムの間のシールに使う。
そして本体にエアを吹き込むと見事に反対側のビードがリムに密着する。
その後チューブを取り外して下向きにし、手で押さえながらエアで一気に膨らませて完成。
組み上がったタイヤは若干引張り気味となり、アメリカで盛んな、Outlow10.5やX275のドラッグマシンのような、なかなかそそられる?プロフィールに仕上がった。
このタイヤでK君と更なるタイムの短縮を目指したいと思う。